#10 インド発祥のジャイナ教とミニマリズムの関係とは?物質主義を超えた精神的探求の教え

ミニマリズム

この記事でわかること

・ジャイナ教の物を持たない考え方
・ジャイナ教とミニマリズムの関連性

ジャイナ教とは

ジャイナ教と聞いてパッとわかる人はどれくらいいますか?
ほとんどの日本人は馴染みのない教えだと思います。そもそも単語自体聞いたことがない、と言う人も多いでしょう。

そんなジャイナ教ですが、実はミニマリズムと通じる部分があります!
馴染みはないけど、どこかの国の知らない教えが自分の馴染みのある考えと通じる部分がある、というのは面白いと思ったので、今回はインド発祥のジャイナ教について話していきます。

ジャイナ教は一言で言うと、「徹底した禁欲を特徴とするインドの宗教」です。
インドで紀元前6世紀頃に成立した古代の宗教で、主に非暴力(アヒンサー)を中心にした教えを説いています。非暴力という言葉の意味の中には、単に物理的な暴力行為を避けるだけでなく、「思考、言葉、行動のあらゆる場面で、一切の危害を与えないこと」という絶対的な教えを説いています。(結構極端ですよね。)

現在、ジャイナ教の信者は世界で約500万人とされていて、発祥地であるインドにその人口が集中しています。そして、面白いことに信者にはお金持ちが多いことでも有名なんです。ある調査によれば、インドの富の50%を握っている、ともいわれているそうです。

ここまでの情報だと、「極端で、怖そうで、でも少し不思議な宗教」のイメージかもしれません。
もう少し、深掘りしていきましょう。

ジャイナ教の5つの誓い

ジャイナ教の最も重要な教えが「非暴力(アヒンサー)」と伝えましたが、その考えをもっと行動ベースに落としたのが「五つの大誓戒」と呼ばれる戒律(ルール)です。
以下の戒律は最初に守るべきものとして教えられます。(戒律はこの5つの他にもいっぱいあります)

  1. 不殺生(生き物を傷つけないこと)
  2. 真実を語ること
  3. 他人のものを盗まないこと
  4. 性的行為を制限すること
  5. 物質的な所有をしないこと(無所有)

この中でミニマリズムに関連があるのは、もちろん5つ目の無所有です。
どこまで物を持たない教えなのか、気になりますね。

アヒンサーの考えは生活や生きる上での考え方に浸透させるものなので、ジャイナ教徒の人はこの厳格な教えに忠実な生活スタイルを送っています。

ジャイナ教とミニマリズムの関連性

いくつかあるアヒンサー中でもミニマリズムに通じる教えが、「無所有(アパリグラハ)」。
字の通り、物を所有しないという意味です。

無所有の究極の目的は、物に執着しないことです。
これにより、カルマの蓄積を防ぎ、既存のカルマを取り除くことができると考えられています。
※カルマは個人の善悪の行為や意識こと。ここでは悪い行いや考えのことを指す

戒律の中でも所持して良いとされているのが、たった3つだけ。
❶孔雀の羽で作ったほうき(生き物を殺さないため)
❷水筒(一日一回のみ使用可)
❸眼鏡(生き物を踏んで殺さないため)

なぜ孔雀の羽だけなのか、なぜ水筒の使用頻度が1回だけなのかはわかりませんでしたが、極端すぎるミニマリストっぷり。僧侶は本当に何も持っていないそうで、手に持って歩けるだけの最低必要な物だけが所有物の全てだそうです。

肝心の移住食はどうなっているのかというと、
・着替えは一式だけ
・食事に使える鉢(片手で持てる程度の器)だけ
・お金は一切触れない
・その他(衣服入れられる程度の自分で持てるもの)

なので、レストランでの食事も出来ません。食事は鉢で誰かに貰って食べるだけです。
寝る時はベッドではなく、床の上に簡単な敷物を敷いてごろ寝です。
最近地球環境に優しい生き方、エコ生活と言われればそうですが、想像絶する物を持たなぶり。

ただ、このジャイナ教の無所有の教えは、現代の環境問題や動物福祉、過剰消費の課題にも通じるとされ、エコロジカルな生き方のモデルとして注目されています。

まとめ

いかがでしたか。
ジャイナ教の教えは極端ではありましたが、物を持たないことが現代で問題視されている過剰消費を防ぐ教えになることが理解できました。

こういった新たに知った教えを受けて、自分の生活にどれだけ浸透させられるのかを考えることがミニマリストになるための第一歩かもしれません。

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