この記事でわかること
・自然災害が多い日本におけるシンプルな生活の重要性
・現代社会で実践できるミニマルライフや心の準備
自然災害とミニマルライフの関連性
自然災害が頻発する現代において、ミニマルライフの重要性はますます高まっています。
物が多くて豊かさを享受する一方で、「災害時は危険を増す要因になる」とわかるようになりました。
ということは、ミニマルライフはイコール心身の健康と安全を守るための生活になると思うのです。
また、シンプルな生活は、災害時の迅速な避難や復旧を簡単にするだけじゃなく、精神的な余裕を生むことにもつながるので、災害への備えを強化するためにミニマルライフを始めるのもいいかもしれません。
今回は自然災害とミニマルライフと密接なつながりのある「鴨長明」という人物を紹介します。
この人がミニマルな暮らしとどう関係があるのか、探っていきましょう。
鴨長明ってだれ?

鴨長明(かものちょうめい)は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて生きた日本の僧侶(兼詩人兼随筆家)です。
代表作は『方丈記』(日本三大随筆のひとつ)という随筆で、自然や人間の無常をテーマにした作品を残しています。
鴨長明の晩年の生活方法は、現代のミニマルライフやサステナブルなライフスタイルに通じる部分が多く、自然との調和を重視する姿勢は、今でも多くの人々に影響を与えています。
自然災害が鴨長明の生活に与えた影響
鴨長明がミニマルライフを始めた背景には、仏教思想と哲学が影響していますが、特に、平安時代末期の社会情勢や自然災害の多発(京都を含む広い地域に影響した「安元の大地震」、「治承の大洪水」「治承の台風」など)が一因となったと考えられています。
家屋が崩れ、引っ越しを余儀なくされ、引っ越した先でもまた家を失う、という苦い経験が簡易的で質素な生活を選ぶことになったのです。
自然災害が鴨長明の生活に与えた影響は大きいことがうかがえます。
鴨長明の思想とミニマルライフ
鴨長明は「方丈」と呼ばれる小さな家に住んでいました。(家の名前とその家での生活が作品名になっています!)
その家は、木や藁などの自然の材料で作られていて、約4.5畳から6畳程度の広さだったと想定されます。家の中にあるものは10個程度。
・畳:寝るためのスペースとして使われ、畳が敷かれていることが当時は一般的
・布団:簡素な寝具
・机:書き物や食事をするための小さな机
・椅子または座布団:簡素な椅子や座布団
・食器:皿や茶碗、箸などの基本的な食器類
・鍋や釜:料理をするための鍋や釜
・灯り:夜間の照明として、油灯やろうそく
・楽器:琵琶や笛など
・書物:特に仏教に関する書物
・筆と墨:書き物をするための筆と墨、紙
思った以上に質素でシンプルな生活を送っていたことがわかります。
このような小さな空間で、鴨長明は必要最低限の家具や道具だけを置いて、シンプルな生活を送っていました。しかし、彼にとっては、物を少なくし、心を豊かにするための理想的な住まいでした。
また、鴨長明は四季の変化や自然の恵みをとても大切にしていました🍁
春には花が咲くのを楽しみ、夏には緑が生い茂るのを見て喜び、秋には紅葉の美しさに心を奪われ、冬には雪の静けさを愛でていました。
四季の移り変わりを感じることで、彼は自然の美しさや、すべてのものが変わっていくこと(無常観)を体感し、受け入れる心を育んでいったのです。
そして、食材や生活用品を自然の中から自給自足することで、経済的な負担を減らしていました。
彼の生き方は、今でも多くの人にとって大切な教えとなっています。
鴨長明から学ぶ、現代社会で実践するミニマルライフ
現代の私たちが直面する物質主義やストレス社会において、鴨長明の教えは新たな道となるのではないでしょうか。
・災害時に備えて必要な物のみを持つようにする
・自然とのつながりを作る
・禅や瞑想の時間を持つ
自然災害が多い日本においては、不要な物を手放して生活空間を整理整頓することで、万が一、自然災害が起きても回避できる住居スタイルになっています。
また、長明の思想は、自然との関わりを深めることにもつながります。
彼は、自然の中で過ごす時間を大切にし、環境への配慮を忘れませんでした。
現代においても、自然と共生することは、心の豊かさを育むために欠かせない要素です。
さらに、内面的な成長を促すために、禅や瞑想を取り入れることで、より心穏やかな生活を実現することができます。
まとめ
シンプルな暮らしで、自然災害に備えた生活様式を整えて、心の豊かさを育てたいですね。

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